田中秀和さんのサウンドについて
最近、田中秀和さんにオネツです。
彼のコードワークが好きなのはもちろん、サウンドが好きなんだなと最近になって感じ始めました。
無理やりな形ではありますが、彼の音楽性を分析するのにはひとつ参考になればよいかなと思います。あくまでも私はこう聴こえているという現段階での私見であるということを前提に読んでいただきたいです。
彼がよく使うサウンドと、その共通点、バンドサウンドだけでもいくつか種類があることなどがわかるような記事にしたいという思いもあり非常にボリューミーな記事になっています。
今回注目するのはサウンドですので、メロディ重視の歌モノだけではなく、劇伴の紹介も行います。それぞれ実例を踏まえて実際に聴いていただくためにYouTubeのリンクを貼っています。読み込みに時間がかかる記事になっていたら申し訳ございません。
また、ジャンル横断型が非常に多いため、同じ曲が違うところに出てくることがあります。ご感想等あればぜひいただけると幸いです。
そもそも音楽を分類するという試みについて、私にとって今回非常に実験的な取り組みでした。
私が音楽を意識的に聴き始めたのは3年前で、本ブログを書き始めたのも、2年前の元日で、はっきり言って非常に音楽の経験値が少ないです。
しかし、経験値が少ない少ないと言っても自分にとって何も良いことが起きないので、とにかくがむしゃらに自分のできることをやってみようという考えのもとこの記事を書き進めています。
田中秀和さんの音楽のファンとなったのも3年前で、そこから毎日のように彼の音楽を聴き続け、彼の音楽での表現技法について自分なりにまとまってきたことがあるため、なんとか記事にして形にしておきたいという思いでやっています。自分のために書いていますが、このメモが読んでくださる人にも役に立てばもっとうれしいです。
- ①渋谷系
- ②バンアパ系
- ③ディスコ・ファンク
- ④バンドサウンド(その他)
- ⑤アイドル系
- ⑥ブラジル
- ⑦アコースティック
- ⑧ストリングス
- ⑨劇伴へんてこ系
- ⑩エスニック
- ⑪打ち込み主体
- ⑫その他
- あとがき
①渋谷系
1つ目から物議を醸しそうな分け方しています。まず渋谷系という言葉がデリケート。しかも、曲の一部で使われるパターンが多いため、読んでいる方も??ってなる部分があるかと思います。
要素は以下の通りです。
・ドラムが乾いている感じ
・ベースが暴れる、複雑なコードワーク(沖井礼二)
・ストリングスのピチカート奏法(小西康陽)
・バンドサウンド一辺倒ではなく、カラフルな編曲(PSB)
・ソウルフルの対極。ポップ。子供っぽい。
これをがっつり取り入れたのは、2015年1月のアイドルマスターシンデレラガールズの劇伴に始まります。さらに、2016年からはその経験を歌モノへと昇華させます。2017年のグッドラック・ライラックはその集大成と言えるような、これまでの曲のアクの強さをきれいに浄化しながらも、カロリーの高さは残るような、非常に満足度の高い曲を生み出しました。
The Dancing Glass Slippers(M25)
イントロからフリッパーズギターの恋とマシンガン。フルートのメロディも。
こういった形で、フルートが主メロを担当する劇伴がひとりぼっちの○○生活の劇伴、「ともだちびより。」です。
ここまで行くとブラジル要素が多くなってきて、分類が難しくなります。そもそも、渋谷系自体が音楽ジャンルではなく、こういったブラジル音楽などの多種多様な音楽のいいとこどりの文化であるため、渋谷系なのか、そうじゃないのかという分類は不可能であると考えています。
The Girls Etiquette (M22)
こちらも一瞬でわかる、ベースおじさんの曲です。もうそのまんまですよね。
Puzzling Pizzicato(M07)もギターポップで、90's渋谷系の流れがあるように思えます(名前にもピチカートって入ってるし)。YouTubeにはありませんでした。
ドラマチックガール
Piano:sugarbeans
Bass:千ヶ崎学
Guitar:堀崎翔
Drums:高尾俊行
Mixing Engineer:淺野浩伸(redefine)
彼はさらにこれまでやってきた渋谷系リスペクト音楽とバンドサウンドを融合させることに成功させます。
彼の唯一無二のバンドサウンドはここから成熟し始めたといってもいいでしょう。
アイカツメロディ!
Guitar:堀崎 翔
Bass:安達貴史
Drums:高尾俊行
Piano & Organ:sugarbeans
Mixing Engineer:淺野浩伸(redefine)
ドラマチックガールと同系統のサウンドであると思います。同じコンテンツは同じようなサウンドにしているしていることもわかります(同じメンバーで収録しています)。
Hoppin' Season♪
Guitar:堀崎 翔
Bass:鹿島達彦
Recording & Mixing Engineer:Neeraj Khajanchi
こちらは少しドラマチックガールと比べると主張は弱く、これまでのバンド曲に寄ったサウンドをしていると感じます。装飾的な音が少ないです。
イントロのリフやドラムの軽さが渋谷系感がするので、渋谷系にいれています。ドラムのクレジットがないので打ち込みっぽいです。
アイカツの2曲と大きく違うところとしては、アコギがかなり違います。彼のバンドサウンドの特徴、爽やかさの要因としてアコギの弦をはじく音が挙げられます。
2曲は弦の音が右からかなり明確に聴こえてきますが、この曲は少し右よりから小さめに鳴っています。
ベースはひずみが少ない、穏やかな感じにおさまっている印象です。
MixはNeeraj Khajanchi(ニラジ・カジャンチ)さんでアルバム全曲のMixを担当しているようです。
アルバム全体としての方向性が定まるという点では、Mixは同じ人が担当すればよいですが、作曲家と、Mixing Engineerとの相性もあるようで、この人選については賛否両論がありそうです。
グッドラック・ライラック
Bass:千ヶ崎学
Drums:山内優
Guitar:堀崎翔
Keyboard:sugarbeans
Recording & Mixing Engineer:淺野浩伸(redefine)
上で述べたことを基にすると、アイカツ寄りのサウンドメイキングと分類することができると思います。
Mixは淺野浩伸(redefine)さんで、多くの田中秀和楽曲のMixを担当されています。
最近は、Victor Studioの高須さんや、Sound Cityの白井さん、SIGN SOUNDの近藤さんが増えてきています。
高須さんは特に2021年以降は非常に割合が高いです。初はサマー・スライダー(2019年)かと思います。コンパスソング、ミッドナイトシアター、アマカミサマ、さんさーら!、LINE LOOP、ファーストキッスは竜人くん♡ feat. 清 竜人、アイガッテ♡ランテ、結絆華など、秀和さんのお気に入りになっていると思います。
小さなヒカリ
活動初期で渋谷系の香りを感じるのは、アイカツの劇伴です。このころから非常に遊び心に富んだカラフルな編曲。ポップ。シロフォン、マリンバなどの鍵盤打楽器系。
これを聴いてちょっと渋谷系から遠ざかっている気がしていたのですが、秀和さんが影響を受けているCAPSULEの作品を聴いてみると、十分に渋谷系と言っていいのではないかと感じます。
Plastic Girl / CAPSULE
編曲面や、コードの流れという面で非常に秀和さんが影響を受けているように思えます。
間違いなく彼の曲のポップさを支えているのはこの編曲があるからです。
②バンアパ系
バンアパ(the band apart)系のバンドサウンド作り。LINE LOOPにて念願の初共演を果たし、今後更新されるのかが非常に注目されます。
要素は以下の通りです。
・ベースがでかい
・ギターのカッティング、クリーンな音色
・リズムパターン
・疾走感
このサウンドは灼熱スイッチから始まり数曲だけしかありませんが、強烈なインパクトを誇る曲ばかりが入ります。
女性ボーカルにこのカッコいいサウンドを重ねたというのが、非常に重要なことで、甘くキュートながらも、職人感のある洗練したかっこよさが両立しているような不思議な魅力があると思います。
LINE LOOP
Guitar:荒井岳史 ・川崎亘一
Bass:原昌和
Drums:木暮栄一
Vocal Direction & Chorus:やぎぬまかな
Mixing Engineer:高須寛光(VICTOR STUDIO)
ギター、ベース、ドラムはそのままバンアパ。2021年に夢のコラボが実現しました。曲名は秀和さんの曲がバンアパの原さんに初めて認知された「感情線loop」から「loop」という言葉を借りてきているような形です。
超絶軽快なギターに手数の多くリズミカルなドラム、岩のようにごつごつして暴れまくるベース。そして聴いたあとに残る爽快感。
これを軸に他の曲も聴いていこうと思います。
灼熱スイッチ
Guitar:堀崎翔
Bass:千ヶ崎学
Drums:山本真央樹
Recorded & Mixed & ProTools Operated by 近藤圭司(SIGN SOUND LLC)
バンアパ系の原点にして頂点。
ギター、ベース、ドラム、鳴り響くコードの緊張感、疾走感のどこをとってもバンアパの意識を感じます。
Ms.Rからの新着メール
Drums:山内優
Bass:okamu.
Guitar:堀崎翔
Mixing Engineer:白井康裕
これのイントロはバンアパのKarma Picnicが元ネタだと思います。
Karma Picnic / the band apart
最初のギターのカッティングぐらいならよくあるのですが、ベースの「で~~~ん」のタイミングまで同じなので、おそらくリファレンスになっているかと思います。
同時に2つ流してみてください。なんか面白いですよ。
③ディスコ・ファンク
彼が影響を受けた音楽の一つとして、モーニング娘。があります。彼自身もモー娘。が好きで、メインコンポーザーであるつんく♂さんの影響が色濃くでた音楽も数多くあります。
要素は以下の通りです。
・4つ打ち
・ギターカッティング
・スラップベース
カレンダーガール、そして後継曲のオリジナルスター、オオカミとピアノ、極上スマイル、ススメ☆オトメと活動初期にたくさんリリース。
最近ではCidre(シードル)が久しぶりのディスコチューンで彼らしい、ギターがこれでもかとひねくれながらも、超絶ポップな仕上がり。初聴のとき懐かしい気持ちになったのはこれのせいだと感じています。
Memories of days gone by
彼のMONACA名義での楽曲としては初リリース。ワウのきいたギターが中心で、ファンクは言い過ぎかもしれませんが、ざっくりとダンス系統には当てはまると思うためこちらにいれました。ギター秀和さんはこれだけです。
このディスコ調はかなり岡部さん要素が強いような気もします。
カレンダーガール
Guitar:後藤貴徳
Bass:鹿島達彦
Mixing Engineer:淺野浩伸(redefine)
言わずと知れた名曲。アイカツシリーズの楽曲は作曲家としての独り立ちして間もない作品で、彼にとって非常に大きい楽曲です。
誰がどう言おうとディスコ・ファンク調のこの楽曲は、彼の以降のディスコファンク楽曲の軸になっていると思います。
オリジナルスター☆彡
Bass:鹿島達彦
Guitar:後藤貴徳
カレンダーガールに続く曲として2ndシーズンのEDとしてリリース。
こちらも根強い人気で、同じディスコ系統であるものの、Aメロ、Bメロの間の橋渡し部分、非常にキャッチーなメロディ。
ススメ☆オトメ ~jewel parade~
Chorus:辻純更
Bass:鹿島達彦
Guitar:後藤貴徳
Mixing Engineer:淺野浩伸(redefine)
アイドルマスターシリーズには、自分REST@RTで初めて提供。そちらはディスコではありますが、ユーロビートっぽさが強く、ダンスミュージックとしての色が濃いように感じています。
ススメ☆オトメ ~jewel parade~は、ディスコファンクなのですが、かなりアコギの主張も印象的で彼のディスコファンク系以外のサウンドが介入しています。
オオカミとピアノ
Trumpet:佐々木史郎
Trombone:河合わかば
Alto Sax:山本拓夫
Drums:山本真央樹
Bass:鹿島達彦
Guitar:後藤貴徳
Recording & Mixing Engineer:熊本義典(prime sound studio form)
Wake Up, Girls!(以下WUG)より。
アイカツでひとしきり活躍し、次は声優アイドルの世界へステージを進めます。
彼の師匠である神前暁氏の休養により、もともと神前氏が担当することになっていた楽曲制作の仕事が、田中、広川、高橋の3人に渡り、そこで3人は各々の才能を遺憾なく発揮します。
ボーカルの久海菜々美(CV:山下七海)はWUGの活動を通じてかねてからの夢である光塚歌劇団の入団を目指している最年少の女の子で、ピアノが趣味。WUGにはイメージカラーだけでなく、イメージアニマルという制度があり、オオカミが割り当てられているため、こういう曲名になっている。(イメージアニマルについては監督のブログがあるので気になる方は調べてください)
これまでのディスコ楽曲と比べるとさらに作り込み、生音の録音が豪華で、そういう意味でパワーアップした印象があります。
また、山下七海さんと秀和さんの関係も非常におもしろいがそれだけで記事一本書けるくらいには好きなコンビであることだけは記しておきます。
この曲やオリジナルスター☆彡にはリファレンス元として以下の曲が挙げられます。
作詞・作曲:つんく♂
編曲:平田祥一郎
曲調に始まり、サビの入り方、BPMの変化は非常にオオカミとピアノに似ています。
極上スマイル
Chorus:辻純更
Bass:鹿島達彦
Guitar:後藤貴徳
Mixing Engineer:熊本義典(prime sound studio form)
こちらはさらにアイドル路線に寄せたディスコファンク。コーラスが非常に多く、底抜けに明るい歌詞、WUG版のLOVEマシーンと言って良いでしょう。
作詞・作曲:つんく♂
編曲:ダンス☆マン
悪戯
Guitar:後藤貴徳
かなり知られていない曲ですが、田中秀和の隠れたディスコファンク曲です。
コメ欄でハロプロっぽいとありますが、ディスコファンクでキメがたくさん出てくる点についてそういう印象を与えているのではないかと感じます。
Cidre
Guitar:堀崎翔
Bass:安達貴史
Drums:髭白健
Piano & Organ:伊賀拓郎
Mixing Engineer:白井康裕
2020年リリースで最近のディスコファンク更新でした。バンドメンバーも一新で、ぜんぜん雰囲気が違いますよね。
楽器の違いとしてはピアノが印象的で、Mia REGINAさんの大人な印象が増しています。また、生のドラム演奏で、同じ生ドラムのオオカミとピアノと比べ全体的に抜けがよく聴こえます。
④バンドサウンド(その他)
その他のバンドサウンド。他有名ミュージシャンとのコラボ系、渋谷系でもバンアパっぽくもない。強いて言えば田中バンド系と言ってもいいかも?
要素は以下の通りです。
・耳心地の良さ
・右から聴こえるアコギ弦の音
・クラップ
彼の音楽は耳心地が良く、彼の曲を聴き分けるときにコード、メロディ以外での重要な情報であると感じています。
バンドのサウンド面でクセがない曲、悪く言えば普通なサウンドですが、どれも名曲ばかりで、メロディ、メッセージ性に深みを持たせるために使われているのではないかと考えます。
2019年あたりからはミックスの関係なのか、さらに爽やかで耳心地の良い曲の割合が増えてきているように思います。
Theme of Cinderella Girls (M01A)、Carriage for Cutie (M03)、Passione (M04)
ここをさらに分類していくと、後は演奏者ごとの特徴を書いていくことになります。
3ピースのメンバーにおけるサウンドの違いとかも分析したいのですが、まだまだ私の音楽的な経験が足らず、言葉にできない部分がたくさんあります。
⑤アイドル系
バンドサウンド(その他)に入っている曲から、少し分けてみています。
要素は以下の通りです。
・ギターがジャキジャキしてる
・アイドルっぽい
・泥臭さ、アイドルらしさ
要素はギターの音色で、ひずみの感じがジャキジャキしている、そして王道のアイドルソング感。
自分の中ではぼんやりとイメージがあるのですが、共通点がきれいにまとめられずにいます。
彼のキャリアの始めの頃によくありました。最近はこういった感じの曲は全くなくなりました。これは彼自身にそういったオーダーがあまり多くないことが一つ考えられます。
Wake Up, Girls!を愛している私にとっては、7 Girls War、リトル・チャレンジャーがとっても好きでライブでもかなり楽しみにしている曲でした。
Chorus:辻純更
Piano & Organ:sugarbeans
Bass:安達貴史
Guitar:堀崎翔
Drums:池田シゲノブ
Strings:大先生室屋ストリングス
Mixing Engineer:熊本義典(prime sound studio form)
神前さんの製作途中の曲を秀和さんが作り上げるという形で完成した曲。
イントロのギターから王道アイドル感があります。
リトル・チャレンジャー
Chorus:辻純更
Bass:鹿島達彦
Guitar:後藤貴徳
Mixing Engineer:熊本義典(prime sound studio form)
こちらもWUG作品のユニットI-1clubより。
Chorus:辻純更
Piano:sugarbeans
Bass:安達貴史
Guitar:堀崎翔
Drums:山本真央樹
Strings:大先生室屋ストリングス
Recording & Mixing Engineer:淺野浩伸(redefine)
M@GIC☆
Strings:室屋光一郎ストリングス
Drums:山本真央樹
Bass:鹿島達彦
Guitar:後藤貴徳
Chorus:辻純更
Mixing Engineer:淺野浩伸(redefine)
Count It Basis! (M11)
⑥ブラジル
ボッサ、ミナス系音楽のポップスへの落とし込みが天才的だと感じています。秀和さんはさまざまなジャンルの音楽を活かした作曲をされていますが、特にブラジル音楽についてはかなり深く精通しており、楽曲の随所に現れます。
曲の一部にしかでてこないような曲も入れています。Aメロだけとか、Bメロだけとかそういうパターンがよくあります。
田中秀和とブラジル音楽を語る上で、「Linaria Girl」は伝説的な曲であると感じています。これをきっかけにyoursなど、ブラジル系の音楽が増えることになり、DEZOLVEのベーシストである小栢さんが参加することもしばしばありました。
ぼくが好きなミナス音楽を挙げておきます。秀和さんっぽさを感じると思います。
Sorôco / Makely Ka
Mundo por Conocer / Marcelo Wolosk
Move on now!
Guitar:後藤貴徳
Mixing Engineer:淺野浩伸(redefine)
初期の楽曲ですが、このころからブラジル要素のある曲を書かれています。かなりダンスミュージック寄りです。
秀和さんのブラジルの音楽をまとめるときに、DJで出演された際、
Linaria Girl→V字上昇Victory→move on now→最大聖地カーニバル→ススメ☆オトメ~jewely Parade~→ステラ・ドライブ→…
とつないでいたのを思い出しました。最高だったなぁあぁ。
なるまるまーる
Guitar:堀崎翔
Mixed & ProTools Operated by 近藤圭司(SIGN SOUND LLC)
キャラソンでもブラジル要素を持ってきました。私はキャラソンという文化が大好きで、各作曲家のとがり具合が浮き出てくると思っています。
なるまるまーるはとがりすぎなくらいとがってます。
Linaria Girl
Guitars:堀崎翔
Bass:小栢伸五
Drums & Piccolo Snare Drums:山本真央樹
Flute:晝間亜希子
All Other Instruments & Programming:田中秀和(MONACA)
Recording Engineer:淺野浩伸(redefine)
伝説的な楽曲。Flute、リズム隊が衝撃的。アニソン系でこんなに本格的な曲ありますかね。
Bass、DrumsはフュージョンバンドDEZOLVEから。DEZOLVEのメンバーと秀和さんで飲み会があったようです。
@11kyrtjt10 @Blade4gen @maokiyamamoto 目指せブラジル人!
— 田中秀和 / Hidekazu Tanaka (@HdkzTanaka) 2015年3月12日
Blessing
Mix Engineer:近藤圭司(SIGN SOUND LLC)
Flute:赤木りえ
Percussion:藤井珠緒
Violin:室屋光一郎・徳永友美
Viola:金 孝珍
Cello:堀沢真己
Guitar:堀崎翔
Piano:伊賀拓郎
Drums & Piccolo Snare:山本真央樹
Upright Bass:小栢伸五
リズム隊はLinaria Girlと同じ構成で、こちらはストリングスが入ってくるパターンです。
ぜひ、FULLで聴いていただきたい一曲です。
Sly & The Girls Jewelries (M41)
アイマスのアニメ劇伴より。
ともだちびより。
TVアニメ『ひとりぼっちの○○生活』サウンドトラックより。
4:28という劇伴にしてはとんでもなくボリューミーな楽曲。そして、高カロリーなブラジル要素。
ドラムは山本真央樹さん、ベースは小栢伸五さんだと思います。それぞれの楽曲についての演奏者が書かれていないので確証はありません。
たぷたぷ
伝説的楽曲の一つですが、サントラで円盤買わないとついてこないという形になっており、普通のCDに比べてお値段は数倍します。
音楽好きとしては、音楽だけで購入する手段や、サブスクでの配信をしていただけると嬉しいのですが。。。もっと多くの人に聴かれてほしいという気持ちです。
パンチマインドな昼下がり、Mondo Monday (M23)、Sunday Montuno (M24)
もあてはまると思いますが、音源はありません。
⑦アコースティック
アコギが中心となっており、ブラスセクションやウッドベースが同時に入るパターンや、スカっぽい曲もいくつかあります。
劇伴でよくみられます。これも最近はあまり見かけなくなったジャンルであると思います。
Anemone (M02)、The Reversible Heart (M08)、Never Was a Cloudy Twilight (M40)、The Days of Effort (M27)、Tut-Tut Blues (M32A)
⑧ストリングス
ストリングスが効果的に使われている曲。特に、生音だけで構成されることはほとんどなく、打ち込み音と絡み合う場合が多い。
ハイスピードで緊迫感を生み出す効果、彼特有のスケールをなぞるような役割を担うことが多く、彼らしさを一気に増す役割があると考えます。
私はストリングスに彼の魂が込められていると感じます。また、WUGの話になりますが、節目の曲、重要な曲に限ってストリングスが非常にキーになっているパターンが多いです。
少女交響曲、Beyond the Bottom、土曜日のフライトはどれもWUGにとって重要な位置付けとなる曲で、彼にとっても非常な大きなものであることはこれまでの彼のメディアでの発言でもわかることです。
Strings:室屋光一郎ストリングス
Bass:鹿島達彦
Guitar:後藤貴徳
Recording & Mixing Engineer:淺野浩伸(redefine)
こういった曲調の曲で、ここまでの完成度の曲は存在するでしょうか。
彼にしか書けない、彼にしか今後越えることのできないような曲であると思っています。
もう一度、アイドルに書いてほしい。アイドル楽曲でしか生まれない彼のシリアスかつポップな一面を見たいです。
Strings:室屋光一郎ストリングス
Bass:安達貴史
Guitar:堀崎翔
Recorded & Mixed & ProTools Operated by 近藤圭司(SIGN SOUND LLC)
これも私が伝えたい、田中秀和ストリングス曲の代表曲。
荘厳な雰囲気を作り出すストリングス、曲の展開は劇的で、映画を一つ見終わったような満足感があります。一度目を閉じて聴いてみてください。
Beyond the Bottomについては彼の師匠である神前暁さんも聴いたとたんすぐにProToolsのデータを確認したそうです。
昨夜受けたショックが忘れられず、こっそりBeyond the BottomのProToolsデータを覗き見てみた。なるほど…こうなってるのね、勉強になりますっ!
— 神前 暁 / こうさき さとる (本名) (@MONACA_kosaki) 2015年11月7日
Silent Star
Mix Engineer:淺野浩伸(redefine)
Guitar::堀崎翔
2016年発売【ウマ娘 プリティーダービー 】「STARTING GATE 01」より。
ブックレットに情報がないのか、演奏者が軒並みが不明となっています。ギターも堀崎さんのツイートからの情報となっており、この曲の演奏者については非常に気になるところです。
この曲は本当に傑作で、打ち込みの「silent」な空気感の作り方に、あたたかなアコースティックギター、鋭く緊張感のあるストリングス。そこにのるのが、高野麻里佳さんの甘いウィスパーボイス。
たっぷりとられるギターソロも美しい。
ちなみに田中さんのツイートのウマ娘の「Silent Star/サイレンススズカ」ギター弾いてます。軽やかにしなやかに華麗に2000mを逃げ切ったであろう姿をイメージして、個人的にそれを表現したギターソロも弾いてあります。どうぞよろしくどうぞ。
— 堀崎翔 (@horizakisho) 2017年3月26日
やっぱり彼の新骨頂はストリングスなのではないかと思ってしまいます。
私の全力!
0:49~の展開でストリングスが入ります。非常に厳しいメロディで、状況に合わせた非常に秀逸なメロディであると感じています。
劇伴でもストリングスに力が入った楽曲があります。
他には、
Motif“Awake” (M09)、Thistle Castle (M60C)は珍しく打ちこみがほとんどないストリングス主体の曲。
Impatience (M26)は卓球娘の劇伴にあるような緊迫した表現をする役割があるストリングス。
Starting Over (M62)など。
⑨劇伴へんてこ系
劇伴でしかあまり使われない感じの曲調。へんてこな雰囲気にぴったり。
要素は以下の通りです。
・シロフォン、リコーダー
・ドタバタ感
アプリコット・ジャム、あっちへこっちへ、Eight Days OFF A Week (M14A)
、The Cat Ears' Opinions (M30A)、Ambiguous Dialogue (M31A)、All Right in the End (M39)、Why Don't You Be a Cinderella? (M33A)、A Demon in Shibuya (M15A)、TOTOKIRA Kindergarten (M68)などが含まれます。
⑩エスニック
キャリアはじめに集中してよくありました。民族系(ブラジル以外)の異国情緒溢れる曲。
大学時代に民族音楽についての勉強をされていたことも関係しているのではないかと考えています。
Guitar:後藤貴徳
Trumpet:佐々木史郎
Trombone:河合わかば
Tenor Sax:鈴木明男
Mixing Engineer:熊本義典(prime sound studio form)
恋のダンスサイト / モーニング娘。
作詞・作曲:つんく♂
編曲:ダンス☆マン
この曲自体もジンギスカンが元ネタと言われています。
いとしーさー♡
Recording, Mix & ProTools Operate:近藤圭司(SIGN SOUND)
Bass:千ヶ崎学
Guitar:堀崎翔
Drums:山本真央樹
Chorus:宮原ひとみ
他にRANKO's Grimoire (M13A)、SHINSEN Girls (Ep26)も含まれます。
⑪打ち込み主体
近年これに分類される曲が一気に増えました。2019年以降はVtuberやトラックメイカーとのコラボも増えてきており、今後もこの系統の音楽が増えていくと考えています。
TALK LIKE BEATS 中編にて、クラブミュージック音楽を作るのに苦手意識があったという発言もされていて、Share the lightが転機であるということもおっしゃっていました。
CAFUNÉ
編曲:Aire
Mix Engineer:Aire
Guitar:安藤河音
All Other Instruments & Programming:Aire
秀和さんが本格的に打ち込み音楽に乗り出したのは、CAFUNÉからではないかと考えています。
編曲のAireさんはもともと田中秀和さんのファンで、Twitterに秀和さんの曲を打ち込みで再現した動画をアップしたところご本人もご覧になったようで、CAFUNÉでのコラボにもつながったようです。
サウンド面からいうとAire成分100%で、今回の分類の目的には即していないようにも思いますが、転換点として重要であると思いこちらに挙げました。
Share the light
Recording & Mixing Engineer:前田和哉
Violin:室屋光一郎・野口わかな・沖祥子・小寺里奈
Viola:馬渕昌子
Cello:遠藤益民
Guitar:堀崎翔
ジャンルはfuture core。イノタクさんのリミックスを参考にされたようです。
初めて聴いたときの衝撃は本当にすごかったです。これは秀和さんが作ったのか!?と疑いましたが、メロディの感じ、コードワークから彼らしさがうかがえます。
コンパスソング
All Instruments & Programming:田中秀和(MONACA)
Mixing Engineer:高須寛光(VICTOR STUDIO)
こちらも打ち込みを主体にしており、彼の近年の作品を代表するような仕上がり。
アマカミサマ
Guitar:堀崎翔
Mix Engineer:高須寛光(VICTOR STUDIO)
ブログのコメント欄で教えていただきましたが、この種類の2020年以降の曲はほぼすべてに指パッチンが入っています。
⑫その他
これまでで分類が難しかった曲。ジャズやビッグバンド系、バンドサウンドでもちょっと異質な感じのするものはこちらにいれています。
イリュージョニスタ!
Mix Engineer:近藤圭司(SIGN SOUND)
Drums:山内優
Bass:安達貴史
Piano:sugarbeans
Guitar:堀崎翔
Strings:室屋光一郎ストリングス
Trumpet:小林太・野口勇介
Trombone:半田信英
Alto Sax:鍬田修一
Tenor Sax:門田晃介
Baritone Sax:竹村直哉
Chorus:宮原ひとみ
ビッグバンド調。秀和さんは中学時代吹奏楽部に入っていたそうで、その経験も活かされているのではないかと思っています。
Waltz for Dreamers (M06)
ジャズ。
他には、Dress! Dress! Dress!(M21)、THE TWO SELFIE MONSTERS (M35)、Count It Basis! (M11)、Trial and Error (M17A)が含まれます。
あとがき
田中秀和さんについてここまで考えたことはありませんでした。すごく良い経験になったと思います。また音楽の経験値がたまったらこの記事も書き直してより良いものにしていきたいと考えています。
今後も秀和さんは私たちを驚かせるようなところから音楽を持ってくることだと思います。その日がくるのを楽しみに過ごしていきたいです。