田中秀和さんのMONACA退所について思っていること
今月2日のお昼、TwitterのTLを眺めていると現れる【ご報告】の文字。その中には信じられないことが書かれていた。意味がわからなかった。
今になってやっと整理がつき始めてはいるが、元MONACAの田中秀和に慣れるのは数年後、大分先だと思う。
当面は田中秀和の文字を見るたび、MONACAを連想するし、MONACAの字を見るたび、田中秀和を連想すると思う。
2日から今日まで3週間弱経ったわけだが、その間にいろいろと心の中で考えたことや気付いたことがあったので、それをこの記事を使って整理していこうと思う。
いろいろ下でごちゃごちゃ述べていますが、私が秀和さんに送りたい言葉は、
「田中秀和さん、これからもお体に気を付けて、音楽活動を頑張ってください。応援しております。」
です。
秀和さんの音楽によって救われる人が世界に数えきれないほどいます。
「MONACAの田中秀和」が好きだったことに気付く
久しぶりに心の底から寂しい気持ちになった。
MONACAをやめるだけで、音楽活動を別にやめるわけではないから、これからを応援したらいいじゃないかと、すぐに切り替えることはできなかった。
「これからも応援しています!!」とリプライを送りたかったが、手が震えてなかなか思うように指が動かない。
あの瞬間はMONACAを辞めた田中秀和を今後も応援できるのかと聞かれたら、完全にYesと答えられなかった。
彼のこれまでの作曲家人生を考えるとMONACAというものはとてつもなく大きい。それは読んでくださっているみなさんもご存知であると思う。MONACAが彼を大きくしたし、彼がMONACAを大きくしたのも事実である。
彼とMONACAの歴史を考えると、いろんなことが頭の中で渦巻いてしまい、リプライが送れずにいた。
こうなってしまった自分を考えると、私は田中秀和という一人の人間が好きであると認識していたつもりであったが、意外にもそうではなく、「MONACAの田中秀和」というが好きであったということになる。その認識のズレが苦しかった。
彼の退所をきっかけに自分の弱さを自覚して、それにすごく悩まされた。
曲の評価も揺らぐ
私はこれまで、曲を曲単体として評価することを目指して聴いてきた。完全に曲の内容のみで評価するのは無理とわかっていながらも、できるだけ公平な目線で評価したいという気持ちからであった。
もちろん、秀和さんの作品に関してもこの姿勢で聴いてきたつもりで、曲についての予備知識をできるだけ排除し、「田中秀和」を切り離した上で聴くようにしていた。
しかし、この一件で私の中の「一人の人間としての田中秀和」と同じくらい「MONACAの田中秀和」がかなり大きいことに気付いてから、自分の認識は相当信用できないものだと感じるようになった。
自分で自分の心を理解できていなかった。
とすると、曲に対する評価を公平な目線で行うという姿勢は思っている以上にできていなかったと言える。これもショックの一つだった。
いつ独立を考えたのか、独立の理由
独立を考えた時期については、すごくこれについては気になるけど、これはまったく想像がつかない。私はべつに音楽業界の人とのつながりがあるわけでもないし、判断の根拠がない。
しかし、独立のいきさつというのは、「MOMACAが田中秀和を抱えきれなくなった」というものでないかと考えている。
MONACAの中でもTwitterのフォロワーの数は神前さんに次いで2番。歌モノの数が多く、注目度はMONACAの中でも一番であるといえる。
仕事の依頼はどんどん増え、その内容も多様化している。さらに、年齢も30代で経験と体力がかみ合う一番の時期であると言える。
MONACAの内情はそこまで深くは知らないが、三角由里さんがマネージメント業務を行っていることは話を聞いたことがある(例えば月ノ美兎さんのウラノミトの制作の際の話とか)。アルバムのプロデュースのところに三角さんの名前が載っていることも多い。
もし、三角さんだけでマネージメント業務をやってらっしゃるのなら、とんでもなく大量の業務が生じていると予想される。
ただでさえ多い田中秀和さんの仕事量に、新しいオリバーさん、井上さんという期待の新人も入ってきたこともあり、とてつもない数の仕事の依頼があると思う。
さらに、秀和さんご本人からも独立の意思があったのだろう。
2018年あたりから、アニソンからは少し離れた世界への作曲が増え、個人色が強い仕事が増えてくるようになった。これは、これまでの秀和さんの仕事のクオリティの高さや、自己表現についてのご本人の意思の表れであると感じる。
例えば、YouTubeを始めたというのも、数年前の秀和さんでは考えられないような自己表現の形であると思う。
もちろん、コロナウイルスによる影響も考えられるが、もしコロナウイルスが5年前に流行していたとしたら、ここまで積極的にファンとの交流をされていただろうか(YouTubeの普及も5年前ではかなり違ってくるが)。
秀和さんがMONACAからいなくなったら
この章では、秀和さんのMONACA退所によって、どういうことが変わるのか考えてみる。
①田中秀和さんの自己紹介で「MONACAの田中」と言わなくなる
なんか寂しい。
むかしにこんなツイートをされている。
どうでもいい話なのですが、昔ある女性の方に「MONACAの田中と申します」と自己紹介をしたら「モナカのタナカ!笑」と笑われたことがありました。ノリ的には全く不快な感じではなかったのですが、それからしばらく「モナカのタナカ」と韻を踏んで発音するのが少し気恥ずかしくなったりしました。
— 田中秀和 / Hidekazu Tanaka (@HdkzTanaka) October 22, 2013
モナカ☆タナカ もっと先へ♪
— 田中秀和 / Hidekazu Tanaka (@HdkzTanaka) October 22, 2013
(失礼いたしました)
②チームMONACAとしての作品が減る
これが音楽面では一番寂しい。
OP、ED、劇伴までほとんどがMONACAのアニメ、アイドル作品はアイカツ!、WUG、ハナヤマタ、あんハピ、卓球娘、ジェムカンなどが当てはまる。
MONACAらしい遊び心豊富な作品が多く、彩り豊かな劇伴、キャラソンはMONACAにしか出せないチームワークだった。
また、チームMONACAとしての音楽がリリースされないとなると、インタビュー記事などのメディア出演もなくなる。
この正方形のキャビネットをバックにした写真もなくなる。
また、これもなくなる。
掲示板 pic.twitter.com/dmiWRnVsPv
— 田中秀和 / Hidekazu Tanaka (@HdkzTanaka) September 29, 2013
仲が悪くなって退所という形ではなさそうで、今後も秀和さんは元MONACAとしてMONACAのメンバーとの関係は続けることになりそう。
これも悲しいです。またいつかMONACAフェスは行われるだろう。
その時に秀和さんがいないのが悲しい。
MONACAフェス2016は、2016年4月30日(土)大宮ソニックシティで行われたわけだが、私はMONACAのMOの字も知らなかったため、絶対行くことはできなかったが、それでもいけなかったのが悔しい。
MONACAフェス行った人、話を聞かせてください。
④復活しない消えたイベント
昨年行われる予定であった、セブンアカデミーの講座。
題名は「沢山の人を魅了するMONACAの世界を楽しむ セット申込(生作曲ライブ&楽曲背景トーク)」ということで、生作曲とかいう激レアイベント。
このイベントは完全な先着順で、私は奇跡的にTwitterを見ていて即座に申し込み、2部とも申し込むことができた。確か、10分後くらいには、2部両方いけるチケットは枯れていた。
というわけもあって、めちゃくちゃ楽しみにしていたイベントであったが、コロナウイルスの影響で開催が中止。私はコロナを恨む理由はこれがかなりのウェイトを占める。
私は完全なインドアなオタクで、お金の出費もなかなかしない。何百キロも移動して参加したイベントはWUGくらいしかなく、相当久しぶりな遠征になるはずだった。
本当に悲しい。
⑤活動の幅が広がる
フリーになることのメリットはこれが大きい。団体に所属することは、何かあったときに守ってもらえることと引き換えに必ずその看板を背負い、活動することになるため、活動に制限が出てくることになる。
フリーランスになることで、自分の名前だけで活動をすることになり、自分のやりたいことができる可能性も上がると考えられる。
2019年あたりからVtuberをはじめ、編曲だけの参加などでアニソンに限られることなくこれまでより広く活動している傾向が見られている。フリーになることでさらにその傾向は加速すると予想できる。
また、昨年は「yuanfen」でのアルバム全体のプロデュースも行い、プロデューサーとしての仕事が増えることも十分に予想される。個人的には、やりたいことをやっている秀和さんが好きで、もっともっとそういう方向性でやってほしいというのが本音。
特に昨年と今年で、彼の音楽のルーツの一つである、ネオ渋谷系ミュージシャンとの共作やバンアパとの共作があり、さらに清竜人とのコラボも控えている。他ミュージシャンとの交流も今後増加するだろう。
昨年、YouTubeを始められたこともあり、私たちファンとの交流もはかられた。YouTubeの配信者としての活動もあるかもしれない。
スプラトゥーンで、あとちょっとだけやります(3時間)っていうのとか、家二郎を作る秀和さんや異常に緑色したコアラをかわいがる秀和さんをもう一度見たい。
秀和さん最後のMONACA名義の曲はどれ?
2021年8月20日現在、担当が公表されている曲で、正式なリリースがないのが、でんぱ組.inc 20thシングル『衝動的S/K/S/D』の「ファーストキッスは竜人くん♡ feat. 清 竜人」と、TVアニメ『プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜』のOP主題歌「ファイオー・ファイト!」、忘れてはいけないのが、Shiny day。
Shiny Dayは昨年の12月に発表されてから、まだフル発表されていない曲で、いつフルがでるのかまだわかっていない。
プラオレについてもOP以外の担当もあるかもしれない。
はたまた、まだ発表していない曲があるのかもしれない。
あと、、全力アイドル宣言♡のFULLはどうにかなりませんかね。
さいごに
秀和さんの音楽がなかったら確実に今の自分は存在していないです。それくらい秀和さんの音楽が好きで、自分の人生に多大な、大きすぎる、影響を与えています。
だからこの話は自分にとって本当に大きな話で、すぐに処理することができず、かなり遅れてではありますが、こうやってブログを通じて、心の整理をすることができました。
「こいつ重すぎるだろ」とか、いろいろ感想を持たれた方いらっしゃるとは思いますが、一人でも共感いただければ幸いです。
とにかく最後に伝えたいのは、この決断に誰よりも苦しんで、考え抜いたのは田中秀和さんご本人であり、私はこの決断を絶対に尊重しようと考えているということです。