2021年楽曲10選
こんばんは~~ど~~でんです。
今年もこの季節がやってきました。年末恒例の10選企画です。
今年の採用基準は、
・曲を一通り歌える
・大好き
この2つの基準だけです。
昨年までは、曲そのものを見るということを目標にやっていましたが、考えすぎかなというふうに感じたのでそれは取り去りました。
私の音楽の聴き方というのが、あまり一曲にこだわらず広く浅く聴いていく聴き方でして今年リリースの曲で良いと思っても歌えるほど好きなものというのがほんの一握りです。
その中から大好きの気持ちが大きいものを10曲選曲しています。
また、記事の最後には、2021年の楽曲をまとめたプレイリストとそれにまつわるコメントも載せています。ぜひ最後までご覧ください。
プレイリストです。
- ペンディング・マシーン / Official髭男dism
- The Sun, Moon and Stars / 星見プロダクション
- Bluerose / 星街すいせい
- Dead Scream / La prière
- 東京プリンセス / リルネード
- 謎解きはキスのあとで / DIALOGUE+
- ユメヲカケル! / スペシャルウィーク (CV. 和氣あず未), サイレンススズカ (CV. 高野麻里佳), トウカイテイオー (CV. Machico), ウオッカ (CV. 大橋彩香), ダイワスカーレット (CV. 木村千咲), ゴールドシップ (CV. 上田 瞳) & メジロマックイーン (CV. 大西沙織)
- Hey, lad! / ルコア (CV.髙橋ミナミ)、真ヶ土翔太 (CV.石原夏織)
- さんさーら! / ARuFa
- be Cute / SMILE PRINCESS
ペンディング・マシーン / Official髭男dism
作詞・作曲:藤原聡
編曲:Official髭男dism
Piano, Synthesizer, Programming:藤原聡
Guitar, Chorus:小笹大輔
Bass, Chorus:楢﨑誠
Drums, Chorus:松浦匡希
Trumpet:湯本淳希
Trombone:川島稔弘
Sax:アンディ・ウルフ
8月18日にリリースされたメジャー2ndアルバム『Editorial』より。ブラックミュージックの香りと、構成美にやられました。
1イントロ 0:00~
かなり壮大なイントロ。ボーカルもかなり残響が残っていて、ベースも、うにょ~~~んとした感じ。よく聴くとコーラスも結構入っていて、宇宙っぽいエフェクトも面白い。
どんな曲が始まるのかというわくわく感。
1Aメロ 0:28~
イントロからグッと変わり、防音室に入ったようなキレの良いサウンドがお出迎え。
ギターカッティング最高。ブラックミュージック。
Aメロ頭の「Wi-Fi環境がないどこかへ行きたい」という詞をネタっぽくなく堂々と歌っているのがめちゃ面白い。髭ダンらしい「a i」の韻の踏み方。とんでもなくキャッチ―。
1Bメロ 0:57~
Aメロとは違い、少し言葉の詰め方は疎で、クッション的な役割を果たしていると思います。
1Cメロ 1:15~
ハイトーンゾーン。まさかこうくるとは、、、、なんかハイトーンのところは、バックコーラスとして聴こえます。心の中を表した歌詞が多いため。
本音が出てきたのが「迷惑はお互い様だって」そして「葬られた叫び声」
サビっぽく感じないのでCメロとしましたが、実際はどうなのかわかりません。
Inter 1:32~
ここから生ベースがグリッサンドで登場し、またこのパートが終わればまたシンセベースに戻ります。
中毒性のあるブラスセクションが印象的で、加工がかなり施されており、主人公の内面、ストレス、鬱憤が描かれているように思います。
2Aメロ 1:51~
2Cメロ 2:10~
Bメロはすっ飛ばしていますね。書きながら初めて気づきました。2Aメロ後半2:01~からは裏で優しい音色のエレピがなっているなど、メロディだけではなく編曲の面でも工夫があります。
Dメロ 2:31~
イントロと同じフレーズを転調させてここで持ってきました。これも素晴らしい。。。
inter 2:56~
3Cメロ 3:15~
ハイトーンゾーンですが、これまでと違い、バックコーラスではなくなっているのが違いで、これもすごい仕掛けですよね。。心の中に留めていた思いをすべて吐露するようにも思います。
昨年の緑黄色社会のMela!も楽曲構成がすごかったですが、今回のペンディング・マシーンもなかなか作り込みが深いです。どうやって藤原さんが作ったのかすごく気になるところです。
The Sun, Moon and Stars / 星見プロダクション
作詞:利根川貴之
作曲・編曲:沖井礼二
Chorus:清浦夏実(TWEEDEES)
Drums:原 GEN 秀樹
Other Instruments & Programming:沖井礼二(TWEEDEES)
Recording Engineer:中里隆夫・松岡誠
Mixing Engineer:中里隆夫
Assistant Engineer:尾子南都美
Recorded at パワーハウススタジオ・Wicky.Studio
IDOLY PRIDEより。沖井礼二さんが創り出す世界がただただ圧倒的でした。
イントロ 0:00~
1音目の空気感から沖井礼二が作ったに違いないと断言できるくらいには沖井成分100%。メロ、コードはサビ頭のフレーズをイントロ用に改変したものになっています。
少しこもったようなサウンドで、ウインドチャイムなど、きらびやかな楽器が5種類くらいざっとやってきます。
inter 0:07~
ストリングス、ギター、ベース、エレピがin。
ストリングスのフレーズもAメロに続く物語のプロローグとして最高の役割を果たしています。
Aメロ 0:17~
大好きなリズムパターン。
かなり長いAメロで、この曲でゆっくりと呼吸のすることができるのはここだけです。
Bメロ 0:59~
ここからはAメロと打って変わって、矢継ぎ早に言葉が続いていきます。
「不思議だけれど 君だけ」からの沖井さん特有のズジャーンズジャーンのリズム、コーラスの盛り上がり、Iaug/#IV。サビへとパワーが集まっていくようになっています。
サビ 1:16~
星屑が舞うようなウィンドチャイム。
メインボーカルはロングトーンのフレーズが多く、この曲の規模の大きさ、空間的な広さを表現しているように思います。
右から聴こえる、チューブラーベル。沖井さんらしい。
清浦さんのコーラスも天から降り注いでくるような感じで、うねりまくるベースとぴったり。
Dメロ1:48~
サビより少し落ち着きますが、楽器隊たちも暴れまくっているし、コード的にも単純なものは少ないです。
パートの移行時にナインスベースを挟まないといけない決まりなんかというくらい多用されています。
2Aメロ 2:14~
ここでAメロの変化版でかなり落ち着くパートになります。字足らずな感じで、言葉数が少ないのが印象的です。
「ときめいて」から歌詞がなく、楽器に任せるように聴こえます。そしてナインスベースの平行移動で、ラスサビへと向かいます。
ラスサビ 2:30~
ここの頭も先ほどのパートからガラッと変わるのではなく、空白感を引きずったままです。ベースを聴いてみてください。全く動いていません。
そして、2:46からようやく、息を吹き返したようにすべての楽器たちが動き出します。
アウトロ 3:18~
最後までおしゃれながら攻撃的で刺激的で疾走感のある楽器隊。
静と動、疎と密、音楽が描く世界の創り方が素晴らしいと思います。
Bluerose / 星街すいせい
作詞・作曲:夏代孝明
編曲:渡辺拓也
Vtuber、星街すいせいさんの楽曲。切ないメロディに星街すいせいさんのボーカリストとしての魅力が表れた作品です。サビメロの頭の半音で揺さぶるやつが大好きです。
この曲については構成的な良さではなく、ただひたすらに星街すいせいさんのボーカルそのものが素晴らしいという点をみなさんにご確認いただきたいので、これまでのようにパートに分けた細かい紹介はしません。
イントロやインターパートでのボーカルカットアップは、この曲のフレーズの切り貼りだけではなく、「おはまち~」「すいちゃん~」って言っているらしいです。かわいい。
楽曲構成については、1A-1B-1サビ-2A-2B-2サビ-間奏-ラスサビという非常にオーソドックスな構成です。
伴奏については、生音はギターオンリー。このキレの良いバッキングも好きです。
その他は打ち込み音で、いわゆるダンスミュージック系統に当てはまるのではないかと思います。
では、星街すいせいさんのボーカルとして好きなところは、
・歌い上げないところの表現力
Aメロとかまさにそうなんですが、ここの部分というのをうまく何事もなかったかのようにさらっと通り過ぎてしまいますが、ここまで表情豊かに歌うのはめちゃ難しいんじゃないかと思っています。
・「ナ」行「マ」行
自分の性癖かもしれないですが、鼻にかかった音が好きです。
サビは、「も」が結構連発されていて、さらに最後に「まもる」があって。。ここの響かせ方、震わせ方が好きです。
・最後にプチ情報
1サビ前の無音部分は、2サビは三連符のドラムが入ります。
Dead Scream / La prière
作詞:棗いつき
作曲・編曲:Tansa
Bass:原一生
Guitar:北川翔也
Piano:友田ジュン
Instruments Mixing Engineer:たっち (studio アステロイド)
Mix/Mastering:Dios/シグナル
ボーカルユニットLa prièreより。
シリアス(這い上がってくるような仕掛け)な作り込み、劇的な場面展開がポイントの一曲です。
イントロ 0:00~
ストリングス、ベースの雰囲気がTansaさんらしさ全開。
このフレーズはサビ直前のフレーズをとってきています。
Aメロ 0:10~
ここのピアノが美しい。。
このAメロは同じフレーズを2回しするのですが、その間(0:21)にちょっとしたキメが素晴らしくて、ベース、ストリングスが一瞬前に主張するのが良い。
Bメロ 0:33~
這い上がるようなメロディから始まります。「飼い慣らされて」のところの空気がシリアス感めちゃ感じます。
また、後半(0:43)のメロがひねくれていますねぇ。。どうやってこんなメロディ思いつくのかなあ。。
サビ 0:54~
楽器隊は少し静かに始まり、「踏み躙られたこの声が」の這い上がり度合いが半端ないです。さらに、後ろで鳴っているコードもそれに対応するように上行クリシェで上がっていますね。感動。。
「答えて 愛して あぁ」のところから拍子通りに進んでいるような印象だったのにシンコペーションで巻き上げてくる感じで推進するのがまた感動。ボーカリストの伝えたいことが全面に押し出されています。
2回し目は、サビ頭と対比的に楽器隊はかなり動いて進んでいます。
そして最後のハモリ部分も這い上がるような感じ。
inter 1:20~
ここのストリングスのフレーズで泣いちゃいました。
1:37のテテテテテテからの厳しい音色。。。シリアスな使い方をするときのストリングスが大好物です。
2A 1:42~
初めのテケテケテケ...みたいな、絶対1番と同じことしないぞという意思が伝わってきます。
2B 2:05~
ここはサビにいくとおもいきやキャンセルです!
間奏 2:28~
バックで教会の聖歌的なコーラス、その上でピアノ、ギターが暴れ回る構図。
死の淵から生き返る場面のように聴こえます。
2:53からは天から光が差し込むようなストリングス。目を閉じて聴くと情景が浮かびあがってくるような物語性の濃い楽曲です。
ラスサビ 3:18~
ここ以降の展開もすごいんですよね。
お決まり通り、少し音数が少なくて2回し目から全部の楽器が入ってくる仕組みなのですが、「この声が枯れるまで」でシャウトしてから急激にギターソロが挟まる!情熱的!!!思いが滾っています。
最後は息をたっぷりに吸い込んだハモリパート。曲がきれいに終わります。
楽曲展開が今年聴いた曲の中でもピカイチで、凄く頭の中で風景が描きやすい曲でした。
東京プリンセス / リルネード
作詞:nobara kaede
作曲・編曲:浅野尚志
アイドルグループ、リルネードより。
3人のかわいらしさと、かわいいそのものへの思いをおしゃれに描いた傑作。
イントロ 0:00~
ボーカルオンリー。曲の顔と言えるイントロでかわいい声だけを使う勇気。しかも「かわいくなっちゃいます?」
ギターカッティングも切ないストリングスも好き。
Aメロ 0:18~
単純で短いメロですが、かわいさ切なさを含んでいますね。
「スクランブル」のIVm7とか好きなやつ。
Bメロ 0:33~
同主調の部分転調的な感じか、短三度転調的に進んでいるのでしょうか。Bメロに入った瞬間ハッとします。
アイドル楽曲あるあるのサビ前の萌えセリフ。かわいい。
サビ 0:48~
サビの進行が大好き。かつ、メロディも大好き。たぶん先ほど紹介したBlueroseと同じような感じだと思います。IVM7 IVmM7 の進行にIIIとIIIbのメロディが乗るやつです。
歌詞も「可愛くなっちゃいます」って宣言されているのもおもしろいし、「ドキドキしちゃいます(いいよね)」のいいよねが良いよね。
inter、2A、2B、間奏
Dメロ 2:31~
キメだらけの本当に意味がわからない歌詞で100回くらい聴いているのですがよくわかりません。それでいいのかもしれません。
落ちサビ、ラスサビ 2:36~
ラスサビ3:01のコードが素晴らしいです。#IVm7-5から上行していく進行で、おおおおおおっと思わせる効果があります。
そのままのコードでもよかったのですが、さらにこの曲はアウトロにさらに展開を残していて、ただでは済まさない勢いをここで感じました。
アウトロ(ラスサビの続きのEメロ?) 3:12~
ここの展開が良くて10選に入れました。これまではかわいい歌詞とか、意味わからん歌詞とか言っていましたが、ここからは女の子たちの強い意志を感じる重要なパートで、かなり情熱的なメロディになっているのがポイントです。
純粋な可愛さと可愛いことへのこだわりという二面性を感じることができるという点で素晴らしい楽曲だと感じました。
謎解きはキスのあとで / DIALOGUE+
作詞:竹内サティフォ
作曲:ONIGAWARA
編曲:ONIGAWARA・伊藤翼
Sound Direction:ONIGAWARA・伊藤翼
Guitar:佐々木秀尚
Bass:ナガイケジョー
Drums:鈴木浩之
Trumpet:吉澤達彦
Trombone:半田信英
Alto Sax:橋本和也
Programming:伊藤翼
Vocal Direction:田淵智也
Recording Engineer:黒田かおり・中村悠二(VERYGOO)
Mixing Engineer:中村悠二(VERYGOO)
Recording Studio:PONY CANYON代々木Studio・ROKU-st
Mixing Studio:ROKU-st
声優ユニットDIALOGUE+より。
昨年の配信ライブで聴き惚れてずっと今でも好きな曲。豪華な生楽器に負けないボーカルとメロディ。サビの熱量そのものがすごい曲ですので、読者の方にも実際聴いていただいて、その熱量を味わっていただきたいです。
内山さんと宮原さんがメインボーカルに据えられている楽曲で、他のDIALOGUE+曲とは違う雰囲気があります。
イントロ 0:00~
ご機嫌なブラスセクション、右でかき鳴らされるギター。
Aメロ 0:18~
状況説明的なパート。左から聴こえるギターカッティングが気持ちいい。
このAメロ、4つのパッセージで分けられるのですが、4つ目の最後のメロディだけちょっとずつ違っているんですよね。めっちゃ細かいところですが、正確にとろうと思うと非常に難しいのではないかと思います。
Bメロ 0:45~
すごいメロから始まる!!速報が飛び込んできたみたいな感じ。
それ以降はサビにつながるよくある形。
サビ 1:02~
10選の中でもサビメロの強さでいったら一番なのではないかと思います。文字のハマりもメロディの流れ方も自然に感動する。
「なぞと↑きは」の高音、キュンとします。
2A-2B-2サビ
Dメロ 2:44~
ドラムの金物の音がいい味を出しています。
間奏はなく、すぐに落ちサビにつながります。
落ちサビ 3:01~
「理由?理屈?」からは内山さんのパート。こんな声出るんだ!?メロディを正確に取らずにあえてずらしているように思います。声優楽曲ならではの工夫であると思います。
ラスサビ、アウトロ
あまり語ることはないです。ただひたすらに強い音楽がやってきます。
この曲は楽器の豊富さと圧倒的なメロディの強さとそれにこたえるDIALOGUE+の熱量の大きいボーカルに尽きると思います。
ユメヲカケル! / スペシャルウィーク (CV. 和氣あず未), サイレンススズカ (CV. 高野麻里佳), トウカイテイオー (CV. Machico), ウオッカ (CV. 大橋彩香), ダイワスカーレット (CV. 木村千咲), ゴールドシップ (CV. 上田 瞳) & メジロマックイーン (CV. 大西沙織)
作詞:マイクスギヤマ
作曲・編曲:東大路憲太
Guitar:東大路憲太
Bass:川崎哲平
Drums:川口千里
Strings:室屋光一郎ストリングス
Trumpet:奥村晶・二井田ひとみ
Trombone:高井天音
Alto Sax:庵原良司
Tenor Sax:竹上良成
Chorus:maimie, 安田みずほ
All Other Instruments & Programming:東大路憲太
Recording Engineer:内藤岳彦・齊藤春樹
Mixing Engineer:渡辺大志
2021年大ヒットコンテンツ、TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』OPテーマ。
アニソン業界、2021年は正直この曲が1強だったんじゃないかと思うほど、新しくて、とんでもないパワーを持った楽曲です。
イントロ 0:00~
サビの頭のフレーズを持ってきています。ブラスセクションが力強く、曲の始まりとして最適です。同じコードを行き来し、すぐに転調して同様に同じコードを行き来する形をとっています。抜いたら抜かれてという競馬の試合そのものを表しているようです。
また、いろんな音がたくさんなっているのに、ぎゅっと詰まっていて、違和感なく聴こえるのがすごいです。
Aメロ 0:23~
音数はかなり少なくなります。右のアコギが心地よいです。そこまで特殊なことはしていないように思います。
強いてあげるなら、Iaug/#IVくらいですが、最近では珍しくなくなりました。
Bメロ 0:43~
ここも4-5-3-3b-2というあるあるな進行。サビでsus4を踏みながら転調するパターンもよく見ます。
サビ 0:54~
ここからはストリングスもin。すごい数の音が鳴っていますが、これもまさに試合の真っ最中、ジャケットの絵が示している通りの音楽なのではないでしょうか。さまざまな音色を持つウマ娘がどんどんやってくる様子です。
「Try! 届け 全速で」のジャッジャッジャーンのリズムのパワー。
そして、サビ内での半音上へ転調。「風も音もヒカリも追い越しちゃって」という言葉とリンク。調まで追い越しちゃいます。
あとの展開も王道な仕組みをしていますが、この曲は、王道を王道で塗り替えられるパワーを持っているところが一番の強みだと思います。
良い曲は王道から少しずらすみたいなことを言ったりしますが、これは王道のど真ん中を曲の持つパワーだけで突き進んだ豪快でかっこいい曲だと思います。
Hey, lad! / ルコア (CV.髙橋ミナミ)、真ヶ土翔太 (CV.石原夏織)
作詞・作曲・編曲:星銀乃丈
Mixing Enginner:高須寛光
TVアニメ『小林さんちのメイドラゴンS』キャラクターソングアルバム「L・O・V・E」より。
新進気鋭のクリエイター星銀乃丈さんによる新時代のキャラクターソング。ここから伝説的な楽曲がリリースされるのではないかと期待しています。
イントロ Aメロ 0:00~
ギター、クラビネット、ベースのグルヴィーな掛け合いがかっこよい!
Aメロ?と言えるのか難しいですが、このパートはセリフ中心で構成されており、THE キャラソンという感じがします。
Bメロ 0:41~
ここからメロディらしいメロがきます。
0:52からのベースとピアノとクラップだけになるのがお気に入り。
サビ 0:57~
軽快でリズミカルな気持ちいいメロディ。
2回し目「魔法だって呪文だって」のメロが良すぎるポイント。石原夏織さんの純粋な声が突き刺さってきます。
2Bメロから2番サビはキャンセルされて、間奏へと繋がります。
ここのギターの歪ませ方かっこいいなぁ。。パーカッションもナイス。
落ちサビ 2:43~
間奏から転調して落ちサビになります。
ラスサビ 3:13~
1回し目の最後にコーラスが入ったり、2回し目のリズムパターンが単純になったり、少し小さいですがギターの装飾(真ん中くらいの音高のフレーズがいろいろ入っている)が変わっていたり、大団円的な印象です。
アウトロ 3:46~
ここの演奏が素晴らしすぎる。。。アウトロ演奏大賞。
ボーカルもノッてるし、Hey lad!以降のドラム!!
最後「ドゥドゥビドゥ」のウィスパーで終わるところもおしゃれ!!
おしゃれな声優楽曲を知っているつもりではありますが、このパターンはこれまで全くなかったのではないかと思うくらい印象的な曲でした。
さんさーら! / ARuFa
作詞:キノピオピー
Guitar:堀崎翔
Mixing Engineer:高須寛光(VICTOR STUDIO)
Recording Studio:MONACA STUDIO
Mixing Studio:MIT STUDIO
今年も秀和さんから。
イントロ 0:00~
イントロ歌始まりでさらに「あ」から始まるという、イントロとしてこれ以上ないイントロ。今年の鮮烈なイントロ部門1位。
この「あ」だけで曲の雰囲気がわかる大胆な仕掛けで、受け手をぐっとつかみます。
後は1秒に1回は変わるコード。いや、0.5秒に1回変わっているかも。
同じような特徴、空気感を持った秀和曲としては「グッドラック・ライラック」、「ドラマチックガール」、「未完成ユートピア」、「恋?で愛?で暴君です!」が挙げられるのではないかと思います。
ブリッジ 0:15~
セブンスコード連続で半音で下がっていき、なんとかしてAbにもどってくる変な動きをしています。
リズムパターンも4拍3連?みたいな感じになっていて、さらにへんてこ度を上げています。
1Aメロ 0:19~
メロは全く違いますが、イントロと同じコード進行をしています。
イントロとAメロが同じコード進行で、かつ、メロが違うというのは珍しいように思います。
「全力アイドル宣言♡」、「ヒミツキチューバー」くらいかな。
よくあるのは、イントロとAメロのコードが一致している場合、イントロはコードだけで、Aメロではその上にメロディが乗っかるという形をとるのがオーソドックスなのではないかと思います。
1Bメロ 0:33~
クリシェゾーンで、ここも秀和節というか堀崎節が前回です。こういったどろどろとしたカロリー高めなフレーズが特徴的です。
メロディもひねくれにひねくれています。。
サビ前もおきまりのaug。
1サビ 0:48-
4-5-3-6の亜種的な進行であるあるのやつです。
メロディは特に変なこともしていないですが、良いメロディなんですよね~~~。。
これをサラッとやってのけるのが秀和さん。
サビ2回し目はDbM7-Gaug7-Cm7-Fm7(chordwikiより)になっているそうですが、これよくわかりません()。
#IVからVIIbにいってツーファイブワンで降りるやつの例
「Precious Memories」の思い出を夢に重ねて~
「Let's アイカツ」サビ終わり
「アイカツメロディ」サビ終わり
#IVからVIIに行く例
「Precious Memories」甘いもおいしいも全部~
「Shiny Day」身も花も木もずっと~
なんか調べてみたら珍しくもなかったし、これにどういう音楽的なおいしさがあるのかあんまりわかっていないです、、
それよりも「してみたい 言いたい やってみたい」の上行していくメロディに対して、ベースの上下に揺れる動きが気持ちいい。ARuFaさんの心の中にある好奇心そのものを表しているようです。
最後の「友達100人」からは秀和さんお決まりの#IVm7-5から始まるやつなんですが、これまでだったら、さらに#IVからVIIbに飛ぶことが多かったのですが、#IVからVIIに飛んでいるようです。
さらに言うとサビ最後に駆け上がっていってコードが移り変わっていくのは、「オオカミとピアノ」、「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」などで見られます。
つまり、さんさーら!は、これまでの秀和楽曲の集大成といって良いのではないかと思います。また、Tom-H@ckさんの放送で生出演された際に、さんさーら!についての話があり、「得意な楽曲」とご自身から発言もありました。
私も1秒1秒が聴きどころになっているような、工夫と遊び心が詰め込まれた秀和さんの楽曲をもっともっと聴きたいなという気持ちがあります。
be Cute / SMILE PRINCESS
作詞:只野菜摘
Guitar:堀崎翔
Bass:渡辺等
Drums:髭白健
Piano:伊賀拓郎
All other Instruments & Programming:田中秀和(MONACA)
最後は秀和さんからもう一曲です。
この曲は2021年秋クールのTVアニメ『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』のOP曲「ファイオー・ファイト」のカップリング曲。
すごく歌詞の力を感じた曲だったので、歌詞の方にも着目して私の好きなポイントを紹介できればと思います。
イントロ 0:00~
ギターから始まるイントロで、これは「水恋」と非常に似た入りであると思います。BPM高めの秀和の純粋なバンドサウンド系楽曲。
Aメロ 0:11~
Aメロらしい静かな立ち上がり。コード的な面でも、サウンド的な面でも特筆することはないです。メロディは、起伏が少しあり、頭の中で自分の思いが逡巡しているような印象を受けます。隣の音を細かく行き来するようなメロが曲全体を通して見られます。
歌詞は過去の失敗を振り返っているような、後悔が見える詞です。
この空気感か只野、秀和ペアらしさが出ているように思います。
Bメロ 0:31~
ここのパートも変なことをしていないというか、王道なBメロのタイプであると思います。
ベースがすーーごい動いていて、クラップが入るというのは秀和さんがよくやってきたことです。
「嫌だ もうやめた」という歌詞とメロのリンク度合いすごいですよね、投げ捨てるようなセリフとメロディが跳躍が非常に合致していると感じます。
サビ 0:43~
be Cuteという言葉から始まるサビ。これを歌っているのがおそらく青山吉能さん。
只野さんと秀和さんの曲を青山さんが歌うということで、このサビの重要な入り、しかもソロの部分を青山さんに任したのは、これまでの歴史があったからに違いないと思います(青山さんはデビュー当初からWake Up, Gilrs!で只野さんと秀和さんの曲を数十曲歌ってきている)。
このサビ入りは、そういう文脈的な面でも大きな一節であると感じています。
では、サビの中心部を見ていきます。
メロディやコードも秀和さんの中では非常にシンプルな形になっていると思います。逆にシンプルすぎて、最近にはなかなかなかった作風であると思います(これまでは王道なメロディに和音の響きが印象的である場合が多かった)。
そして歌詞。かわいくて、優しくて、あたたかくて、悲しくて、決意にも満ちていて、キャッチーで、あらゆる要素を内包していて、この歌詞にやられてしまって聴くたびに涙が溢れてきます。
be Cute
ちっちゃな がんばりにも
気づいてるよ 愛しいよ
黙ってる 守っていく
すごく可愛いから
B級の今を 憎んでいる
くるしいけれど嘘がない
ああ 残酷な 結果さえも認めるんだ
すべてに線を引き、色を付けたいくらいこの言葉たちが大好きなんです。
これはまさに私がWUGの曲を聴くときに感じていた感覚そのもので、歌っているのはWUGではないのに、そういった感覚になる私にとって前世の記憶を思い出させる曲だと感じています。
〇2021年リリース楽曲についての感想や音楽との付き合い方
昨年は100選とかいうふざけた企画をやりましたが、ただひたすらにしんどかっただけだったので、代わりに今年は2021年公開された曲で良いと思った曲のプレイリストの公開とその紹介も少しだけしようと思います。
450曲くらいの曲がエントリーしています。
正直、今年の曲は私好みの曲は少なかったように思います。それには私のサーチ不足や、私自身の音楽の趣向の変化なども関係していそうですが、圧倒的な曲というものが少ないように感じられました。
今年は個人的にすごく生活がガラッと変わり、これまでの音楽との向き合い方も一新する必要がありました。
これまでは、暇な時間をつぶすために音楽を聴いている節がありましたが、今年からは、生活でたまったストレスを洗い流したり、新しい出会いを求めたりするために音楽を聴いていました。
生活でたまったストレスを洗い流すには、自分の頭にあるものを拭い去ってしまう強力な楽曲が必要になります。
月一のブログのためにも、自分が他の人よりも音楽を知りたいという気持ちを満たすにも、さまざまな音楽を聴いていたのですが、誰も注目していなかったような音楽を見つけることができた瞬間の気持ち良さに気付いてからは、新しい音楽との出会いを求めて曲を探しています。
サブスクの世界には、人生では聴ききれない数の音楽が埋まっており、その中から自分の好みにあった音楽を見つけることができたときの感覚は、宝探しゲーム的な面白さがあります。そうして見つけた音楽には愛着がわきます。
この探し方には、自分の好みに大きく依存します。だからより多くの音楽に触れ、自分の好きはどこにあるのか、どうして音楽を聴いているのかという根源的な問いについて考える時間が増えました。
みなさんはどうして音楽を聴きますか??ぜひ教えてほしいです。
2021年もお世話になりました。おかげさまでこのブログの閲覧数も4万をこえまして、来年はもっともっと数が増えて、より多くの人に音楽の素晴らしさが伝われば良いなと思います。
2022年もどうぞよろしくお願いします。